10月はたそがれの国

2013年10月06日
久しぶりの、土手で。

P1630164rr.jpg


この日はちょっと暑くて、ドラゴは首に保冷剤を巻いて。

それでも、ずっと、テンション高くて。


P1620989rr.jpg P1620999rr.jpg P1630126rr.jpg P1630073rr.jpg




昨年の6月に、レイ・ブラッドベリが亡くなったとの訃報を受けて、

久しぶりに「華氏451度」を読み返して以来、ブラッドベリ熱が再燃。

とりあえずこの1冊と選んだのは、短編集の「10月はたそがれの国」

・・・と、この本を読んでいたのは昨年の今頃のはなし。。

大学病院の待合室で、グエルと。


CA384748r.jpg


SF史上最高の叙情詩人と、我が家至上最弱な甘えん坊。。

10月のカレンダーをみて、思い出したのは、そんなこと。

また10月がやってきたよ、グエル。。




この本の中から、今時期にぴったりな「使者」というお話を、ひとつ。

(あらすじにつき、ネタバレ注意)



主人公の少年は、病気でベッドで寝たきりの生活を送っている。

外の世界の情報を運んできてくれるのは、唯一、飼っている犬だけ。


犬が、秋の風と霜と、木の下で発酵したリンゴの匂いを持って走りこんでくる。

時計のゼンマイのような黒い毛の中に、

切り倒した木材から出たオガ屑、カエデの木が散らした黒い枯葉を絡め、

もろいシダの葉、黒イチゴの蔓、沼地の草を、少年のベッドの上に巻き散らす。

そうして少年は、秋がまたやってきたのを知る。


少年は、犬の首にブリキの札をつけた。

  「飼い主はマーティン・スミス―――10歳
    病気で寝ています―――訪問客大歓迎」


来客を待ち侘びる少年のもとへ、大好きな話相手がやってきた。

なにより犬の言葉を理解している学校の先生。

秋の色の髪をもった、若く優しいその女性は、

犬の知らない世間のことを聞かせてくれた。

しかしある日、そのひとは自動車事故で死んでしまう。

死とは、少年にとって、冷たいものを意味した。

沈黙と白一色の冬。

それがはやく来すぎた。

死、沈黙、冷たい白。


少年は母親に聞いてみる。

  「お墓の下ではなにをしているの?横になるだけ?」

  「横になってばかりいたら飽きるだろうに。
   どうして、ときどき起きてこないの?
   神様ってずいぶんばかなことを―――――――」


10月も末近くになると、犬は変わった行動をとりはじめた。

10月30日、犬は走りだしたまま、帰ってこなかった。

少年と季節を仲介してくれる使者がいなくなった。

毒を飲まされたか、ぬすまれたか、自動車に轢かれたか、

それとも、どこかの暗渠の中にたおれているのだろうか・・・

世界はガラスの向こうの絵になった。

少年の世界は死んでしまった。


11月に入ったある夜、どこか遠くで、小さな音が聞こえた。

するどい針のさきで、空をこするような、かすかな音。

犬の声が、夢のなかのように、こだまする。

耕地や農場を横切ってくる犬の音。

ほこりだらけの道、ウサギの通る道、走る。走る。


犬の帰りを願う少年のもとへ、犬が帰ってきた。

見たことのない土地の匂いをつけて。


夜のなかの夜の匂い、影のなかを、ふかく掘り下げた匂い、

ながいあいだ、かくされていた腐敗したものに、密接していた土の匂い。

腐って、すえた、いやらしい墓地の土。


犬が身震いすると、

見たこともない夜の土が、雨となって、ベッドの上に落ちた。


犬がふりむくと、

寝室のドアが、かすかな音を立ててひらいた。

少年に客がきた。




・・・・・歓迎・・・できないわぁ。。





関連記事
☆うちのコ達の闘病生活・想い出☆ | Comments(2) | Trackback(0)
Comment
No title
わんこの気持ちは嬉しいけれど、これはちょっとね・・・。 (^^;)
求めていた物は違うでしょうに、この顛末は私も歓迎できません。
怖いものは苦手ですが、子供の頃のように闇が怖くなくなったのは歳のせいなのかしら。(笑)
Re: No title
なっつばーさん

いつもコメントありがとうございます!!
この来客はちょっと、歓迎できないですよね~
すごく賢いわんこですけどねw
迷子札に余計なことは書いちゃダメね、とも思いましたw

なっつばーさんは、怖いものは苦手ですか~!
私は怖いお話は大好きです♪リアルに怖いのは遠慮したいですけどねw


管理者のみに表示