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合わせた花は、白薔薇の銘花『Iceberg』、『氷山』という意味ですが、
作出されたドイツでの名前は『Schneewittchen』、『白雪姫』といいます。
↓送って頂いたお写真です。

構図は、見た瞬間に決まりました。
テーマは、『薔薇の冠を戴くお姫様』
この写真を送ってくださったときに添えられていた言葉です。
この写真の時は、父の調子もあまり良いとは言えず、
お嬢も回復の兆しが見られず
気持ち的に落ち込んでいましたが
懸命に生きようとしているお嬢の姿に励まされ、写した写真です。
お嬢というのが、このお写真のサミーちゃんのこと。
オーダーのお仕事は、
遺影としての意味合いで依頼されることがあります。
望まれるのはなにか、感じなくては出せません。
私が自分の為の作品として選ぶなら、向かって左のピンクの作品。
ただそれは、写真のモデルを素材のひとつとして捉えた場合。
その意味では、このピンクはたぶん違うのではないかと、
色違いで作り直したものを他に2点、提示させて頂きました。


この3枚には、それぞれにタイトルがついています。
というか、ネーミング好きな私、タイトルはいつもつけているのです。
言葉の持つ先入観で選んでほしくない為、依頼者様にはお伝えしませんが。。
順番に、「普遍」 「愛情」 「未来」
御希望されるお写真が、必ずしも精度が高いとは限りません。
納得のいくレベルで仕上げたい。でも可能な限り御希望には添いたい。
お写真は数点送って頂きました。

このお写真に添えられていた言葉です。
これは、お嬢が私をしっかり見つめてくれた最期の写真です。
ご依頼の作品は、色以外には迷いなく仕上がっておりました。
でも、どうしても、もう一枚。
以前SAMさんが書かれていた、蓮の台(うてな)のお話が印象的で、
ちょうど私の素材ストックにあった水連の花と合わせて作りました。
親しい人達は、共に同じ蓮の台の上に生まれあうというお話で、
それを一蓮托生というのだと。

そして、もう一枚。
本当に御希望されたのは、このお写真でした。

ピントがあまく、画質的に難しい写真です。
でも、この写真なんです。
無理でしたら、他の写真で構わないとのことでした。
確かに、ちょっと無理。。代金の発生するお仕事としてお出しするのは無理。
ただ、ポストカード程度の出力サイズでなら。。

娘さんとお嬢わんこさんと秋桜です。
以下、SAMさん御自身のブログから、そのまま転載させて頂きました。
朝一番の少し苦みがあるコーヒーは
私を眠気から気持ちよく目覚めさせてくれる。
大好きなスウィーツを食べた後の、口の中に残る何とも言えないあの甘い感覚は
とってもハッピーな気持ちにさせてくれる。
嫌いなものを食べた時、味を確認する前に飲み込みたいのに
待ったなしで感じてしまう、味わいたくないあの味。。私にとって椎茸ですが^^;
同じものを食べても、人によって後味は違う。
食べ物の後味は、口直しなんてできて
すぐにでも忘れることができる。
でも、経験が残した心の後味は
なかなか立ち直ることができないこともある。
大きな病気1つもせず、健康だった父をあっという間に失ってしまった後味は
私に、この世からの旅立ちは特別なものではなく
生きているもの全てに平等に訪れるということ。
無邪気に風船を手で打ち遊んでいる娘の横顔を見ていると
時々、いつまでこの子の側にいてあげれるのかしらと考えてしまったり。。。
お嬢の旅立ちを見送った後
もう二度とあの柔らかく温かい体に触れて眠ることはない悲しみを感じ
私の時間は容赦なく進んでいく中
お嬢との時間は、どんどん過去のものになっていく。。。
娘も、お嬢の名前を言っても反応しないようになっていき
娘の中でも、過去のものになっているのを感じました。
お嬢との時間を何か形にしたいと考えた時
色々考えましたが、やはり写真を新たに飾ろうと思いました。
どの写真がいいのか考えましたが、正直に言うと写真を見ると辛くなってしまい
なかなか前に進めず。。
そんな日々が続きました。
そんな中、ブログで知り合った大好きなCREAさんのある記事を読みました。
CREAさんの愛猫の夢夢ちゃんの誕生祝いにデジタル加工した写真でした。
この写真を加工された方も、またまた私の大好きなkenkenkidsさんです。
ほぼ同時期に父とお嬢の体調が悪くなり、旅立ちを意識するような状況の時から
私を励ましてくれたkenkenkidsさんの作品だったら
きっと何か私の後押しをしてくれるのではと思い
早速依頼しました。
出来あがりました^^
作品の確認時に送ってくれたものを見ただけで
あ~頼んで本当に良かった!って心から思えるものでした。
本当に素敵です。
* * * * * * * * * * * * *
私は10月生まれなので、コスモスは大好きな花の1つです。
小さい頃、庭にコスモスの種を植えて、一面に咲き誇る花を見て喜んでいました。
この写真を見た時、娘を近くのコスモス畑に連れていったばかりで
ピンクの花に囲まれ喜んでいる娘の顔と、この作品が重なり
とても幸せな気持ちになりました。
私のシステム手帳に入れて、いつも持ち歩いています。
kenkenkidsさんのこの写真について頂いた文章の一部ですが
「このお写真の娘さんとお嬢ワンコちゃんて、もう戻ることのない時間の中にいて、
この写真の中で生き続ける世界、永遠に止まった時間の欠片のようなもの。。」
作品の希望に関しては、お任せしてしまい、何も注文しませんでしたが
私がなぜ、お嬢の写真を新たに飾りたかったのか
この言葉で、
私の心情を理解して下さり、その上で作品をつくって下さっていたんだなと
感謝の気持ちと感動で心が満たされました。
* * * * * * * * * * * * *
これらの写真のおかげで
お嬢が旅立った後、辛く苦い後味がして見ることが出来なかったお嬢の写真を
毎日のように笑いかけながら、見ることができるようになりました。
そして、娘も、失いかけていたお嬢との繋がりが新たな存在のものとして
写真を見ては、お嬢の名前を呼んでいます。
ゴルちゃんの女の子を見ると、お嬢の名前を呼んでいます^^
再び、娘の口からお嬢の名前を聞けるようになるなんて
本当に嬉しかったです。
年を重ねていくということは
当たり前のように存在していたものを失っていくことかもしれません。
でも、失うものもあれば
年月が経つことで得られることも多いと思います。
大切に、一日一日を過ごしていきたい。
若い頃よりも、ずっと深く思っています。
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ほぼ全文です。
転載しておいて、こんなことを言うのも・・・なんですが、
自分に係ることは、正直かなり恥ずかしいものです。
それでも、あまりに美しい文章、、
この作品とセットで載せないなんて、そんな勿体ないこと出来ません。
自分が今まで歩んできた道、今もこうして生かされている意味を、
ひとつ、受け取ることが出来ました。
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